フルマラソン
「3時間切り請負人」が教える! マラソン<目標タイム必達>の極意」
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著:福澤 潔
サブスリーを達成するのに「30K走」も「インターバル走」も必要ない!
シリアスランナーにとってはショッキングな内容ですね(^_^;)
走力の底上げ
練習もレースも腹八分目の力で、安全に確実に走力の底上げを行う方法が書いてあります。
ポイント練習は15KビルドアップだけでOK。
「30K走」「インターバル走」を行う場合は、"練習"ではなく今の自分の力を"確認"するために行うという考え方も凄いと思いました。
ほぼ毎日走る積み重ね
一か月分の練習日誌も掲載されていました。
負荷が大きい練習は行わないので、ほぼ毎日走ります。(雨の日も…)
そのため月間走行距離は300~400Kとだいぶん距離を踏めます。
確かにガムシャラにフォームを崩してでも練習で好タイムを狙うのは意味がない。
サブスリーを達成するために、辛い練習は避けては通れない道だと勝手に思い込んでいました。
しかし、目標達成の近道は、「丁寧」「確実」な日々の淡々とした練習なのです。
「1日10分も走れなかった私がフルマラソンで3時間を切るためにしたこと」
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著:鈴木 莉紗
運動経験がない女性が2時間39分代でフルマラソンを走れるようになるのだからすごいですね!
女性ならではの視点が本書にも生かされており、とても読みやすいです。
写真やイラストも多用していてソフトな雰囲気ですが、内容はサブスリーランナー向けでハードです(^_^;)。
5Kスピード走2本、インターバル走の翌日に距離走など、前述の書籍とは打って変わって厳しいトレーニングもさらっと書いてあります。
具体的月間トレーニングメニューもあり、参考になりました。
ウルトラマラソン
「小さな村のウルトラランナー 重見高好の挑戦」
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著:大川 卓弥
波乱万丈の人生が赤裸々に書かれており、とても面白い本でした。
めぐまれない環境・家庭でも、とにかく走り続けた少年期。
とても僕では16才で一人で生き残れないですよ(^^;)
そんな頑張りを見捨てなかったある夫婦との出会いなど、本当に人生は奇跡の連続ですね。
うるぎ村の専属ランナーになってからも、練習量は月間1000Kを走って、大雪の日も、マイナス18度のときも、練習は欠かさない。
平坦な道も上りも下りも同じペースで走るのが特徴的だそうです。
「常にリベンジ。勝ったら勝ち続ける。負けたら勝ちを取りに行く。」
静かなるハングリーさがすごいですね。
24時間走り続ける大会でも、そのハングリーさで優勝。
でも、そのあとは、ニコッといつもの通りの重見さんに戻るというところがいいですね。
「自分で自分のことが決められる」
小さな積み重ねが実りやすいウルトラマラソンはとても楽しいし、自分に合っているなと思っています。自由な働き方というものが昨今推奨されていますが、実は「自分で自分のことを決める」というのは責任が重くなる分、とても楽しい生き方です。
「違う自分になれ! ウルトラマラソンの方程式」
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著: 岩本能史
元々は営業の仕事をしており、マラソンを本格的に始めたのは20代後半からの人です。
アスリートとしては遅いスタートと言えるでしょう。
それが、いまではウルトラマラソンの第一人者として、選手・コーチとして活躍されております。
営業の仕事の成績はとても良かったらしいので、自分自身を売り込む力も長けていたのではないでしょうか。
そしてこの人も、ものすごく過酷なウルトラマラソンに多く出場し、好成績を残しています。
スパルタスロンというギリシャ246kmを走るレース。
BADWATER135というアメリカの灼熱の大地を217km走るレース。
24時間走の世界選手権の日本代表選手でもあります。
書籍にも書かれていますが、ここまで過酷でも、あまりにマイナーな競技なのが悲しいですね。
あくまでメイン・メジャーな長距離競技は日本ではフルマラソンです。
しかし、岩本さんや重見さんの活躍で少しづつですが一般市民にも浸透してきたでしょうか。
僕も、微力ながらウルトラマラソンの魅力を競技やネットを通して広げていけたらと思っています。
フルマラソンは速い人が勝ちますが、ウルトラマラソンは速いだけでなく、「本当の強さ」が必要。自分で自分を見捨てない強い精神力がウルトラマラソンには重要です。
岩本さんの考えで共感することがあと2つあります。
●徹底したマネージメント。レースはトレース。
長い距離も細かく分割して、目標タイムを設定とそれに対する練習の徹底。
それを実践すれば、レースはそれをなぞるだけという考え方。
24時間走の時は、トイレに1回いったら、電卓を使ってそのロスを取り返す時間をすぐに計算するそうです。面白いですね。
●ウルトラマラソンでフルマラソンは速くなる
ウルトラマラソンの攻略法をスケールダウンすることで、フルマラソンの攻略につながるという考え方です。特にアスリートではない市民ランナーに対する練習法を提言しています。
確かに、ウルトラマラソンの効率的な走り方というのは、無理なくサブフォーを達成するコツを多く含んでいると感じました。
両者に共通すること
両書に共通することは、「一度きりの人生、一つのことを突き詰めて思いっきり走って生きよう」ということでした。私たちはアスリートではありませんが、自分なりの一度きりの人生を思いっきり謳歌しましょう!
その他
「走ることについて語るときに僕の語ること」
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著:村上春樹
そもそも、作家の村上春樹さんがマラソンをやっているという事実も多くの人が知らないのではないでしょうか。
さすが作家なので文章がとても巧妙
筋肉や膝などを比喩的に表現している文章がとても面白かったです。
抜粋
そこで重要なタスクは「これくらい走るのが当たり前のことなんだよ」と身体に申し渡すことだ。
身体の一部を別人格として扱っているようで面白いですね。
実際、長距離を走っていると、自分の意識とは別に身体のあちらこちらから、苦情が来ます。
僕の疎い文章とは違い、マラソン大会のレースの様子も、臨場感あふれる文章で、本当に読んでいるだけで楽しく面白い本でした。
なぜ作家になったのか
マラソン以外のエッセイもとても楽しく、そしてとてもためになりました。
村上さんは、なぜ作家になろうと思ったのか。
村上さんは、元々はバーの経営をしており、接客などもしていました。
広島VSヤクルト戦、1回裏 先頭バッターがヒットを放ち、二塁ベースに到達した。
そのとき、突然「そうだ小説を書いてみよう」と思ったそうです。
どういう経緯かは、全くの謎ですが…。
それからバーの仕事を深夜までやってから小説を書くという日々がしばらく続いたそうです。
しかし、一番最初の作品「風の歌を聴け」でいきなり賞を取るのだからすごいです。
そして、7年間の「開かれた生活(接客)」から「閉ざされた生活(作家)」へと移行していくのです。
抜粋
僕はもともと人づきあいの良い人間ではない。どこかで本来の自分のあり方に復帰する必要があった。
人生一度きりなのだから、どこかで思い切って本当にやりたいことをやる勇気。とても大事だと思いました。
最後に
本当に誰にも頼まれたわけでもないのに、毎朝早く起きて、つらい練習を重ねて、さらにお金払って大会に出場して限界に挑んでいるのだから、普通の人から見たら、おかしな人ですよね。マラソンに打ち込む人は。
でも、本当に走るのは楽しい。僕もこれからも、死ぬまでずっと走り続けるでしょう。